加齢臭とホルモン変化の関係|男性ホルモン・女性ホルモンの影響を徹底解説


「最近、体のニオイが変わった気がする」「加齢臭が強くなった気がする」――そんな悩みを抱える方は少なくありません。特に40代以降になると、男女ともにホルモンバランスが変化し、それが体臭に大きく影響します。

この記事では、加齢臭とホルモンの関係 に注目し、なぜ年齢とともに体臭が変化するのか、そしてその対策について詳しく解説します。


加齢臭の主な原因物質「ノネナール」

加齢臭の正体は、皮脂に含まれる脂肪酸が酸化・分解されて生じる ノネナール という物質です。

  • 発生しやすい部位:耳の後ろ、首まわり、背中、胸元

  • 特徴的なニオイ:古い油のようなにおい、青臭さや枯草のような匂い

  • 発生時期:おおよそ40歳以降に増加

では、なぜこのノネナールが増えるのか――ここで重要になるのが「ホルモンの変化」です。


男性ホルモンと加齢臭

男性は40代以降、男性ホルモン(テストステロン) が少しずつ減少していきます。

  • 若い頃:皮脂量は多いがホルモンバランスが安定 → 加齢臭はほとんど出ない

  • 中年以降:テストステロンの低下により皮脂バランスが崩れる → 酸化しやすい脂肪酸が増える

その結果、皮脂の質が変化し、加齢臭の原因物質が発生しやすくなるのです。

さらに、テストステロンの低下は 筋肉量の減少・基礎代謝の低下 につながり、体内の酸化ストレスを増加させることも、体臭の強さに影響します。


女性ホルモンと加齢臭

女性は閉経前後から 女性ホルモン(エストロゲン) が急激に減少します。

  • エストロゲンには 皮脂分泌を抑制し、活性酸素の働きを抑える抗酸化作用 がある

  • 減少すると、皮脂の酸化が進みやすくなり、ノネナールの生成が増える

そのため「加齢臭は男性特有」と思われがちですが、実は 女性も50代以降から加齢臭が目立つ ケースが多いのです。


ホルモン変化と体臭の違い(男女比較)

項目 男性 女性
主なホルモン テストステロン エストロゲン
減少のタイミング 40代以降ゆるやかに低下 50歳前後で急激に低下
体臭の特徴 若い頃から皮脂量が多く、加齢臭が出やすい 更年期以降に皮脂質の酸化が進み、加齢臭が出やすい
その他影響 筋肉量・代謝低下で酸化ストレス増加 抗酸化作用の低下でニオイが強まる

ホルモン変化による加齢臭対策

1. 食生活の改善

  • 抗酸化作用のある食材(ビタミンC・E、ポリフェノール、カロテノイド)を摂取

  • 動物性脂肪を控え、青魚やナッツで良質な脂質を取り入れる

  • 腸内環境を整える発酵食品(納豆、ヨーグルト)も有効

2. 適度な運動

  • 筋肉量を維持し、基礎代謝を高めることで酸化ストレスを軽減

  • 有酸素運動+筋トレでホルモン分泌もサポート

3. ストレスケア

  • 強いストレスはホルモンバランスを乱し、活性酸素を増やす

  • 睡眠の質を高め、趣味やリラックスタイムを持つ

4. 身体ケア

  • 皮脂が多い部位を中心に、低刺激の石けんで清潔に保つ

  • 保湿ケアで肌のバリア機能を維持


まとめ

加齢臭は「年齢のせいだから仕方ない」と思われがちですが、実際には ホルモンバランスの変化と酸化ストレスの影響 が大きく関わっています。

  • 男性はテストステロンの減少で皮脂の質が変化

  • 女性はエストロゲンの減少で酸化ストレスが増加

  • 男女ともに40代以降、生活習慣やケア次第で加齢臭を抑えることができる

つまり、加齢臭は 老化のサインであると同時に、生活習慣を見直すチャンス でもあるのです。