加齢臭の主成分「ノネナール」とは何か


年齢を重ねると「体のニオイが変わった」と感じる方は少なくありません。いわゆる 加齢臭 の原因物質として注目されているのが 「ノネナール」 です。ここでは、ノネナールの正体と発生メカニズム、そして対策方法について詳しく解説します。


ノネナールとは?

ノネナールは、皮脂腺から分泌される皮脂成分が酸化することで発生する 不飽和アルデヒドの一種 です。1999年に資生堂の研究によって発見され、「加齢臭の主成分」として広く知られるようになりました。

  • 化学的特徴:アルデヒド類特有の青臭いニオイと脂っぽさを持つ。

  • 嗅覚的特徴:古い油のようなニオイ、青臭い枯草やロウのような臭気が混ざった独特の匂い。

  • 発生時期:一般的に40歳前後から増加しやすい。


ノネナールが発生する仕組み

ノネナールは以下のような流れで発生します。

  1. 皮脂腺からの分泌増加
    加齢により皮脂腺の活動が活発化し、特に中高年の男性で皮脂量が増える。

  2. 脂肪酸の酸化
    皮脂に含まれる「パルミトオレイン酸」が空気中の酸素や皮膚常在菌によって酸化される。

  3. 過酸化脂質の生成
    酸化により過酸化脂質が作られ、それが分解される過程でノネナールが発生する。


ノネナールが多く発生しやすい部位

  • 頭皮

  • 首の後ろ

  • 胸や背中

  • 耳の周囲

これらの部位は皮脂腺が多く、汗と混じりやすいため加齢臭が強く出やすいポイントです。


ノネナールと加齢臭の特徴

  • 発生しやすい年代:40代以降、特に男性に多い

  • ニオイの特徴:「古本のような匂い」「ろうそくのような匂い」「青臭い脂っぽい匂い」

  • 性別差:男性に多いが、女性も閉経後のホルモンバランス変化により発生しやすくなる


ノネナール対策の基本

ノネナールの発生をゼロにすることはできませんが、生活習慣やケアで軽減することが可能です。

  1. 皮脂を酸化させない習慣

    • 毎日の入浴・シャワーで皮脂を清潔に保つ

    • 抗酸化作用のある食材(緑黄色野菜、ビタミンC・E、ポリフェノール)を摂取

  2. 専用ボディケア

    • 加齢臭対策用ボディソープやシャンプーを使用

    • 消臭成分(柿タンニン、茶カテキン、重曹など)が含まれる製品が有効

  3. 衣類のケア

    • 皮脂が付着しやすいシャツの襟・背中部分はこまめに洗濯

    • 酸化皮脂を落とすために重曹や酸素系漂白剤を活用

  4. 生活習慣の改善

    • 禁煙(タバコは酸化を促進)

    • 適度な運動で新陳代謝を高める

    • 睡眠不足やストレスを避け、ホルモンバランスを整える


まとめ

ノネナールは、加齢臭の主成分であり、皮脂の酸化によって生じる物質です。年齢とともに増えやすく、特に40代以降の男性で強く感じられることが多いですが、女性もホルモン変化で影響を受けます。

大切なのは、皮脂の酸化を防ぎ、生活習慣とスキンケアを見直すこと。日常的な工夫で、加齢臭を大きく和らげることが可能です。